自転車旅 準備編 〜山で働く・3〜

毎度どうも、織人です。

 

今日は相棒をピカピカにしました。くまなくね。

言ってませんでしたが実はこの山バイトに行く一週間前に今の自転車が届き、自転車旅の練習がてら石川のおじいちゃん家までこいだのでした。また後々その時のことも話そうかなと。

 

さて、昨日の続きと行きましょう。

 

昨日の祈りが届いたのか、空は昨日と打って変わって青空でした。

猿倉荘の皆さんにお別れを言って山の郵便屋さんのトラックに二人揺られながら断崖絶壁の登山道を登って行く。今、普通に「登山道を」と言ったが通常一般の車では入れない、いわゆる許可者限定の道である。登山客が頑張って歩いて登っている中を車で通り過ぎるのはなにか申し訳ないと言うか、もったいないと言うか...

と、そんな事を考えているうちに車で行けるギリギリのところに到着。

ここからは、歩きで登る ー 登山は久々と言うのもあって靴ひもを閉めると同時にワクワクしたのを覚えています。 

しばらくは木々が生い茂り水の滴る道をひたすら歩きました。すると突然森を抜けそこには一面の雪、”大雪渓”が姿を現したのです。

先ほど「ワクワクした」と言いましたが、アイゼンを使わないといけないこの雪の坂道がとても楽しみだったのが一番の理由でしょう。とにかく真夏なのに一面の雪!僕は心躍っていました。

しかし、このワクワクは、ブルーに染まるのです。

アイゼンを着け「サァ行こう!」と出発してしばらくたった頃山の郵便屋さんが立ち止まり、スティックを使ってバス一台ほどの大きな岩を指し示してこう言いました。「あれは、今年落ちたやつだな。」と。

「サラッと言ったのに話の内容サラッとしとらんやんっっ!!」と内心関西人の血が騒ぎましたし、なによりあの山岳救助漫画「岳」の世界を思い浮かべて不安バキバキになったのは言うまでもないでしょう。

 しかし、戻るなんてとんでもない!と雪の坂(と言うより自分は”壁”に近い印象だったが、)を登り続けます。アイゼンの爪を雪に突き刺し、たまに前に倒れそうになりつつ服を脱ぎ、腰に巻き、下から感じる冷気が心地よくなった頃、やっと大雪渓は終わりを迎え、山の郵便屋さんがまだ気を抜くなよ〜と言うような面持ちで立ち止まりました。

 最後の難関小雪渓の”トラバース”です。

トラバースとは、斜面を登るのではなく横切ることを言います。登るのとは違う筋肉を使うのでヒヤヒヤしながら渡りました...。(大雪渓と小雪渓に分かれているうちトラバースがあったのは小雪渓)

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うっすら赤く塗られているところを通る。怖かったなぁ...

ここを超えたら特には危ないところはなく、着々と登山道を進む。そういえば木の高さも低くなっていて岩肌があらわになる、頂上が近くなってきているのだろう。

 

しばらくして、結構早く着けそうだなと思ったそばから山の郵便屋さんから指令。思ったより早く登れたので、ロープの張り替えをついでにやる。とのこと、まだ休めそうにないな... 

しかしながら、普通は出来ない仕事というのは楽しいもので(ザックをおろしたのもあって)早くも終わり頂上宿舎へ。

ついた瞬間疲れがどっと来たのを覚えています。

 

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この文字に励まされる。「ガンバレ」

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白馬岳頂上宿舎の看板。このときの僕には失敗と経験が待っているとは思いもよらなかった。

着いてすぐ牛丼とみそ汁をごちそうになり至福の一時。

しかし時は一瞬である。支配人に自己紹介をし、荷物をまるで『千と千尋の神隠し』に出てくるような部屋に置きに行ってエプロン・手ぬぐいを装着して厨房へ。早速皿洗いの仕事をこなした。

Yも自分もくたくたでだったけれど、支配人から呼び出しを受け支配人室へ。明日からの諸説明を聞く。覚悟してはいたが、4時出勤の日々が始まる事を再確認。

その後すぐ部屋に戻り、早めに布団に入る。

ふくらはぎが筋肉痛でパンパンだったと日記にある。よく日記を書けたものだよ...

明日は3時半に起床だ。心して目を閉じた。

 

今回は少し長くなりましたね、ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

僕の目も眠気とパソコンの光で限界です、、。

ではまた次回へと続きます。

 

(言葉遣いが話し言葉な僕の日記7月10日より) 

 

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これから毎日見る事になる景色。天候によって表情を幾度となく変えるのはさながら思春期の女の子の様。